「収益と費用、どっちが右だっけ?」
「利益って、結局どう計算しているの?」
簿記3級で多くの人がつまずくのが、損益計算書(P/L)です。
ですが、
- 会社が稼いだお金=収益
- 稼ぐために使ったお金=費用
と考えると、かなり理解しやすくなります。
損益計算書(P/L)を一言でいうと、
「会社が1年間でどれだけ儲かったかを見る表」
です。
この記事では、
- 損益計算書(P/L)の役割
- 収益と費用の違い
- 利益の計算方法
- 初心者が間違えやすいポイント
- B/Sとのつながり
を、簿記初心者向けにやさしく解説します。
損益計算書(P/L)とは?
損益計算書(P/L)は、
「会社がどれだけ稼ぎ、どれだけ使い、最終的にいくら利益が残ったか」
を表す書類です。
会社版の「家計簿」のようなイメージをすると理解しやすくなります。
例えば、
- 商品を売ってお金が入る
- 給料や家賃を支払う
- 最後に利益が残る
この流れをまとめたものが損益計算書です。
英語では「Profit and Loss Statement」と呼ばれ、実務では略して「P/L(ピーエル)」と呼ばれます。
簿記3級では、貸借対照表(B/S)と並んで非常に重要な論点です。
損益計算書は「収益」と「費用」でできている
損益計算書には、主に次の2つが登場します。
収益(しゅうえき)
収益とは、
会社が稼いだお金の原因
です。
例えば、
- 商品を販売した
- サービスを提供した
- 利息を受け取った
などで発生します。
代表例:
- 売上
- 受取利息
- 受取手数料
収益は、損益計算書の右側(貸方)に書きます。
費用(ひよう)
費用とは、
収益を得るために使ったお金
です。
例えば、
- 商品を仕入れる
- 給料を払う
- 電気代を払う
などがあります。
代表例:
- 仕入
- 給料
- 水道光熱費
- 支払利息
費用は、損益計算書の左側(借方)に書きます。
よくある勘違い
初心者によくあるのが、
「現金が増えた=収益」
と思ってしまうことです。
例えば、銀行からお金を借りた場合、
- 現金は増える
- でも借金(負債)も増える
だけなので、これは収益ではありません。
収益とは、
「会社の財産を増やす原因」
のことを指します。
利益はどうやって計算するの?
損益計算書の最大の目的は、当期純利益を計算することです。
計算式はとてもシンプルです。
つまり、
- 稼いだ金額
- 使った金額
の差額が利益になります。
具体例
コンビニで、
- 商品を100円で仕入れ
- 150円で販売した
場合を考えてみましょう。
- 売上(収益)150円
- 仕入(費用)100円
なので、利益は50円です。
この「いくら儲かったか」を表すのがP/Lです。
黒字と赤字
収益 > 費用
→ 黒字(当期純利益)
収益 < 費用
→ 赤字(当期純損失)
となります。
なぜ利益は左側に書くの?
ここは簿記3級でかなりつまずきやすいポイントです。
「利益なのに、なぜ左側(借方)なの?」
と思う人は非常に多いです。
これは、
左右の合計を一致させるため
です。
例えば、
- 収益合計:500
- 費用合計:100
だった場合、
差額の400を左側へ書くことで、左右を500で揃えます。
つまり、
利益は“調整役”として左側に書かれている
だけなのです。
「借方=マイナス」
という意味ではありません。
仕訳からP/Lができる流れ
実際の取引を見てみましょう。
商品を売った
商品を500円で販売し、現金で受け取った。
仕訳:
(借)現金 500 / (貸)売上 500
これは、
- 現金(資産)が増える
- 売上(収益)が発生する
取引です。
給料を支払った
従業員へ給料100円を支払った。
仕訳:
(借)給料 100 / (貸)現金 100
これは、
- 給料(費用)が増える
- 現金(資産)が減る
取引です。
ケース③ 利益を計算する
この1年間の取引が上の2つだけなら、
- 収益:500
- 費用:100
なので、
利益は400になります。
このように、
日々の仕訳の積み重ねでP/Lが作られる
のです。
初心者が間違えやすいポイント
借方=マイナスではない
初心者は、
- 左=マイナス
- 右=プラス
と思いがちです。
ですが、簿記では違います。
借方・貸方は、「記入する位置」を表しているだけです。
費用=悪いことではない
費用を見ると、
「お金が減る=悪い」と感じるかもしれません。
ですが、
- 商品を仕入れる
- 給料を払う
- 広告を出す
などは、利益を出すために必要な支出です。
費用は、
収益を得るために必要だったコスト
と考えると理解しやすくなります。
「仕入」と「備品」を間違えない
同じ支払いでも、内容によって科目が変わります。
商品を買う
→ 仕入(費用)
パソコンを買う
→ 備品(資産)
この区別を間違えると、利益計算がズレてしまいます。
B/SとP/Lのつながり
損益計算書(P/L)で出た利益は、
最終的に貸借対照表(B/S)の
繰越利益剰余金へつながります。
流れとしては、
- P/Lで利益を計算する
- その利益がB/Sの純資産に加わる
というイメージです。
つまりP/Lは、
「なぜ会社のお金が増えたのか」を説明する表
とも言えます。
ここが理解できると、
簿記全体の流れがかなり見えやすくなります。
実務でも、
「売上はあるのに利益が少ない会社」
「利益はあるのにお金が残らない会社」
は珍しくありません。
その理由を理解するためにも、P/Lの考え方はとても重要です。
FAQ(よくある質問)
損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)の違いは?
P/Lは、「一定期間の儲け」を見る表です。
一方、B/Sは、「今の財産状況」を見る表です。
- P/L → 成績表
- B/S → 財産表
と考えるとイメージしやすいです。
売上と利益は何が違うのですか?
売上は、入ってきた金額そのものです。
利益は、売上から費用を引いた残りです。
例えば、
- 売上100万円
- 費用80万円
なら、
利益は20万円です。
赤字なのに現金があるのはなぜですか?
利益と現金は必ずしも一致しないためです。
例えば、
- 借入をした
- まだ支払いをしていない
- 売掛金が残っている
などの場合、赤字でも現金があることがあります。
これは簿記2級以降でも重要になる考え方です。
まとめ
損益計算書(P/L)は、
「会社がどれだけ稼ぎ、どれだけ使い、最終的にいくら残ったか」
を見るための書類です。
ポイントを整理すると、
- 右側(貸方)=収益
- 左側(借方)=費用
- 収益 − 費用 = 利益
という流れになります。
最初は難しく感じますが、
- 収益=稼いだ原因
- 費用=稼ぐために使ったお金
と考えると理解しやすくなります。
簿記3級では、この考え方が理解できると、仕訳もかなりラクになります。


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