減価償却とは|計算方法と仕訳を初心者向けに解説【簿記3級】

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固定資産の「減価償却」という言葉を聞いて、その仕組みや仕訳が気になったことはありませんか。

減価償却って、なぜ資産を直接減らさないの?
計算も難しそうで頭が混乱しちゃう。

最初はみんなつまずく論点です!
でも、仕組みさえわかればシンプルな算数なんです。

減価償却は計算方法を理解していても、細かなルールの見落としで失点しやすい論点です。

試験でよく問われるポイントを押さえて、確実に得点できる状態を目指しましょう。

この記事でわかること
  • 減価償却が必要な理由と費用収益対応の原則
  • 定額法による減価償却費の計算方法
  • 間接法を使った仕訳と減価償却累計額の仕組み

結論:正しい利益を計算するルール

減価償却を行うのは、費用収益対応の原則に基づき、1年間の正しい儲けを計算するためです。

費用収益対応の原則とは、「儲け(収益)と、そのために使ったコスト(費用)を同じ期間に並べる」という簿記の重要なルールのことです。

高額な固定資産を買った年に全額を費用にしてしまうと、その年だけが大赤字になります。

翌年以降は資産を使って収益を上げているのに、費用がゼロといういびつな成績表になってしまいます。

これでは会社の正しい経営成績がわかりません。

例えば、3,000,000円で買った建物を3年間使って、毎年家賃収入を得る場合を考えてみましょう。

  • 減価償却をしない場合
    1年目だけが3,000,000円の費用で大赤字になり、2年目と3年目は費用が0円で大黒字になる。
  • 減価償却をする場合
    毎年1,000,000円ずつ費用に小出しする。
年度減価償却費帳簿価額
取得時3,000,000
1年目1,000,0002,000,000
2年目1,000,0001,000,000
3年目1,000,0000

こうすれば、3年間ずっと実態に合った正しい利益が表示できます。

つまり、減価償却は「高い買い物のコストを、使用期間で小出しに分担させる」という、非常に公平で合理的なお作法なのです。

簿記3級では「定額法」で減価償却費を計算し、決算日に

借方貸方
減価償却費減価償却累計額

の仕訳を行います。

減価償却費の計算に使う「3つの数字」と「定額法」

簿記3級の試験では、毎年一定の金額を費用にする定額法という計算方法を使います。

この定額法の計算には、「取得原価」「耐用年数」「残存価額」の3つの数字を用います。

固定資産は種類によって「何年使えるか(耐用年数」や「使い終わった後にいくらで売れそうか(残存価額)」が異なります。

そのため、これらをあらかじめ見積もっておく必要があるのです。

なお、現在の簿記3級では、残存価額はゼロとして計算する問題がほとんどです。

ここで、具体的な計算例を見てみましょう。

「取得原価300,000円、耐用年数3年、残存価額ゼロ」の備品があるとします。

計算式は以下のようになります。

「(300,000円 - 0円)÷ 3年 = 100,000円」

この1,000円が、1年分の減価償却費になります。

複雑な計算に見えますが、基本的にはシンプルな算数で求めることができます。

仕訳のコツは「間接法」――累計額という「マイナスの箱」

簿記3級の仕訳では、資産の金額を直接減らしません。

減価償却累計額という科目に、マイナス分を貯めていく間接法という方法で行います。

間接法を使うことで、帳簿や財務諸表を見た時に「元々いくらで買ったのか」という情報が消えずに残ります。

これにより、固定資産の管理が圧倒的にしやすくなるからです。

この減価償却累計額のように、資産のマイナスを表す特殊なポジションの科目を評価勘定と呼びます。

決算日に行う実際の仕訳例を確認してみましょう。

1年分の減価償却費が100,000円の場合、仕訳は次のようになります。

借方金額貸方金額
減価償却費100,000減価償却累計額100,000

この仕訳を行うと、貸借対照表(B/S)では以下のように表示されます。

【資産】

建物        300,000
減価償却費累計額 △100,000
───────────────
帳簿価額      200,000

資産のすぐ下にマイナス表示されるため、差し引きの価値である帳簿価額が2,000円だとひと目でわかります。

この帳簿価額がゼロになるまで、毎年の償却は続いていきます。

資産の金額自体をいじらず、隣に「価値が減った分」という評価の箱を置くのが、簿記のスマートな記録方法なのです。

試験対策:減価償却問題で失点しないコツ

減価償却は計算自体は難しくありませんが、試験では細かなルールの見落としによる失点がよくあります。

特に次の3つのポイントを意識して問題を解きましょう。

月割計算を見落とさない

固定資産を年度の途中で取得した場合は、実際に使用した月数だけ減価償却費を計算する「月割計算」を行います。

問題を解く際は、まず固定資産の取得日と決算日を確認しましょう。

1年分の減価償却費を求めた後、「使用月数÷12か月」を掛けて当期分を計算します。

月割計算を忘れると、計算結果が大きくズレてしまうため注意が必要です。

減価償却累計額を使う

簿記3級では、減価償却の仕訳は「間接法」で行います。

そのため、建物や備品などの資産勘定を直接減らすのではなく、「減価償却累計額」という評価勘定を使用します。

問題文で減価償却の仕訳を求められたら、「資産を直接減らさない」というルールを思い出しましょう。

決算整理仕訳とセットで覚える

減価償却は決算整理仕訳の定番論点です。

計算だけを覚えるのではなく、仕訳の形までセットで覚えておくと得点しやすくなります。

借方金額貸方金額
減価償却費×××減価償却累計額1×××

試験では、計算した金額をこの仕訳に当てはめるだけで解答できるケースがほとんどです。

まずは「減価償却費」と「減価償却累計額」の組み合わせを確実に覚え、問題演習で繰り返し練習しておきましょう。

FAQ

Q
土地は減価償却しなくていいの?
A

はい、土地は減価償却しません。
建物や車両と違い、土地はいくら使っても、どれだけ時が経っても古くなって価値が減る性質のものではないからです。
このように、価値が減らない資産を非減価償却資産と呼びます。

Q
取得年度はどのように減価償却費を計算するの?
A

実際に使用した月数で「月割計算」を行います。
まずは1年分の金額を求め、使用した月数で計算します。
例えば7月から使い始めて決算が3月末なら、当期に求めた1年分の金額へ「9ヶ月/12ヶ月」を掛け算します。
1日でも使えば1ヶ月としてカウントするのがルールです。

Q
実務でも決算の時だけ計算すればいいの?
A

多くの会社では「月次決算」を行っています。
毎月おおよその業績を把握するために、年間の見積額を12で割って、毎月簡易的に計上しているケースが一般的です。
そして年度末の年次決算の時に、実際の確定額との差額を正しく調整します。

まとめ:減価償却をマスターすれば、会社の「真の価値」が見えてくる!

減価償却の仕組みや仕訳の形が理解できれば、決算整理仕訳への苦手意識は一気になくなります。

一見難しそうな評価勘定も、慣れてしまえばとても便利な道具ですので、自信を持って次の学習へ進みましょう。

要点の振り返り
  • 減価償却は正しい利益を計算するために行う
  • 定額法は「取得原価-残存価額」を耐用年数で割って計算する
  • 仕訳は間接法で行い、減価償却累計額に価値の減少分を記録する

ここまで読んでいただきありがとうございます。

簿記は、一度で完璧に理解しようとすると挫折しやすい学習です。

少しずつ知識を積み重ねながら、簿記全体の流れを理解していきましょう。

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