「商品売買の仕訳がよくわからない」
「仕入は資産なの?費用なの?」
「商品を売ったらなぜ利益になるの?」
簿記3級の勉強を始めると、多くの人が最初にぶつかるのが「商品売買の仕訳」です。
しかし、実は商品売買の基本はとてもシンプルです。
覚えるべきことは次の2つだけです。
| 取引 | 勘定科目 |
|---|---|
| 商品を仕入れる | 仕入 |
| 商品を販売する | 売上 |
簿記3級では、この商品売買の仕訳が頻繁に登場します。
ここを理解できると、掛け取引や試算表などの応用論点もスムーズに学べるようになります。
この記事では、
・商品売買の仕組み
・仕入と売上の考え方
・具体的な仕訳例
・初心者が間違えやすいポイント
を、簿記初心者向けにわかりやすく解説します。
商品売買とは?会社の利益が生まれる基本活動
商品売買とは、商品を仕入れて販売し、その差額で利益を得る活動です。
例えば、コンビニがお菓子を100円で仕入れ、150円で販売したとします。
すると、
- 仕入:100円
- 売上:150円
- 利益:50円
となります。
会社はこの利益を積み重ねることで成長していきます。
簿記では、この一連の流れを記録するために「仕訳」を行います。
商品売買の仕訳は2つだけ覚えよう
商品売買の仕訳では、まず次の2つを覚えましょう。
| 取引 | 借方 | 貸方 |
| 商品を仕入れる | 仕入 | 現金 |
| 商品を販売する | 現金 | 売上 |
最初はこの形だけ理解できれば十分です。
そのうえで、なぜそのような仕訳になるのかを確認していきましょう。
三分法とは?
簿記3級では、商品売買の記録方法として「三分法」が採用されています。
三分法では、
- 仕入
- 売上
- 繰越商品
の3つの勘定科目を使って商品を管理します。
試験ではこの方法が前提になるため、まずは三分法の考え方を理解しておきましょう。
なぜ「仕入」は費用なの?
初心者が最も疑問に感じるポイントです。
「商品はまだ手元にあるのだから資産では?」
と思う人も多いでしょう。
確かに実務では資産として管理する方法もあります。
しかし簿記3級で学ぶ三分法では、商品を仕入れた時点で「仕入」という費用として記録します。
これは試験上のルールだと考えて大丈夫です。
そのため、
- 仕入=費用
- 借方に記入
と覚えておきましょう。
なぜ「売上」は収益なの?
商品を販売すると現金を受け取ります。
しかし簿記では、受け取った現金ではなく「商品を売った事実」に注目します。
商品を売ることで会社の利益を増やす原因が発生したため、「売上」という収益を記録します。
そのため、
- 売上=収益
- 貸方に記入
となります。
【実践】商品の現金売買の仕訳例
商品300円を現金で仕入れた
商品300円を仕入れ、代金を現金で支払った。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 仕入 | 300 | 現金 | 300 |
ポイント
- 仕入は費用なので借方
- 現金は資産が減るので貸方
商品500円を現金で販売した
商品500円を販売し、代金を現金で受け取った。
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
| 現金 | 500 | 売上 | 500 |
ポイント
- 現金が増えるので借方
- 売上は収益なので貸方
初心者がつまずく「売上を記録するタイミング」
多くの初心者は、
「お金をもらった時が売上」
だと思っています。
しかし簿記の考え方は違います。
売上を記録するタイミング
商品を引き渡した時
仕入を記録するタイミング
商品を受け取った時
です。
つまり、
お金の動きではなく、商品の受け渡しを基準に記録します。
この考え方は掛け取引を学ぶ際にも非常に重要になります。
よくある間違い
① 仕入を資産だと思う
三分法では費用として処理します。
② 現金が増えたから売上だと思う
現金と売上は別物です。
現金は資産、売上は収益です。
③ 商品以外も仕入にしてしまう
販売目的なら仕入です。
自社で使うものなら備品になります。
例えばパソコンでも、
- 転売目的 → 仕入
- 会社で使用 → 備品
となります。
利益はどのように計算される?
商品売買で生まれた利益は、
売上 − 仕入
で計算されます。
先ほどの例なら、
- 売上500円
- 仕入300円
なので、
利益は200円です。
この利益は損益計算書(P/L)に表示され、最終的には会社の純資産として貸借対照表(B/S)にも反映されます。
簿記は単なる暗記ではなく、会社のお金の流れを記録する仕組みなのです。
FAQ
Q. 商品売買はなぜ簿記3級で重要なのですか?
商品売買は会社の利益の源泉であり、多くの仕訳問題の土台になるためです。
Q. 商品を返品した場合はどうなりますか?
仕入時や売上時の仕訳を打ち消す「逆仕訳」を行います。
Q. 送料はどう処理しますか?
仕入時に負担した送料(仕入諸掛り)は、仕入勘定に含めて処理します。
まとめ
商品売買は簿記3級の最重要論点のひとつです。
今回のポイントを整理すると、
- 商品を買ったら「仕入」
- 商品を売ったら「売上」
- 仕入は費用
- 売上は収益
- 商品の受け渡しで記録する
- 販売目的なら仕入、自社利用なら備品
ということになります。
この考え方を理解できれば、次に学ぶ掛け取引や試算表も理解しやすくなります。
まずは商品売買の仕訳を確実にマスターし、簿記3級の土台を固めていきましょう。

