「商品売買って何を記録しているの?」
「なぜ商品を買ったのに『商品』ではなく『仕入』を使うの?」
簿記3級の学習を始めると、最初に何度も登場するのが商品売買です。
商品売買は単元として重要なだけではありません。
売掛金・買掛金・返品・諸掛り・決算整理など、多くの論点の土台になります。
ここでつまずくと、その後の学習も苦しくなってしまいます。
この記事では、
- 商品売買とは何か
- 三分法の考え方
- 仕入・売上の仕訳
- 売掛金・買掛金との関係
- 決算整理とのつながり
を初心者向けにやさしく解説します。
商品売買とは?
商品売買とは、
商品を仕入れて販売し、その差額で利益を得る活動
のことです。
例えば、
- 300円で仕入れる
- 500円で販売する
この場合、
500円-300円=200円
の利益が発生します。
多くの会社は、この商品売買によって利益を生み出しています。
簿記では、この商品の流れとお金の流れを記録していきます。
商品売買の記帳方法は「三分法」が基本
商品売買には複数の記帳方法があります。
簿記3級で学習するのは主に三分法です。
三分法で使う勘定科目
- 仕入
- 売上
- 繰越商品
の3つを使います。
名前のとおり、3つの勘定科目で記録するため三分法と呼ばれます。
日商簿記3級では、特に指定がなければ三分法で解答します。
まずは三分法を確実に理解しましょう。
なぜ「商品」ではなく「仕入」を使うの?
初心者が最も疑問に思うポイントです。
商品を買ったなら、
「商品(資産)が増えた」
と考えたくなります。
実際、その考え方自体は間違いではありません。
しかし三分法では、
商品を購入したらとりあえず『仕入』として記録します。
三分法の考え方
仕入れた瞬間
↓
仕入(費用)
として記録
↓
決算で売れ残り分を調整
という流れです。
これは日々の記録を簡単にするためです。
もし商品が売れるたびに原価を計算すると、膨大な手間がかかります。
そこで、
- 日々の記録はシンプルに
- 正確な計算は決算で
という考え方を採用しています。
商品を仕入れたときの仕訳
現金で仕入れた場合
商品300円を現金で仕入れた。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仕入 300 | 現金 300 |
商品を買ったため、
仕入(費用)が増加します。
掛けで仕入れた場合
商品300円を掛けで仕入れた。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仕入 300 | 買掛金 300 |
買掛金は、
「後で支払う義務」
を表す負債です。
商品を販売したときの仕訳
現金で販売した場合
商品500円を現金で販売した。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 現金 500 | 売上 500 |
売上は収益です。
収益が増えるため貸方に記録します。
掛けで販売した場合
商品500円を掛けで販売した。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 売掛金 500 | 売上 500 |
売掛金は、
「後で受け取る権利」
を表す資産です。
商品売買でよく使う勘定科目
| 勘定科目 | 意味 |
|---|---|
| 仕入 | 商品を購入した費用 |
| 売上 | 商品を販売した収益 |
| 売掛金 | 後で代金を受け取る権利 |
| 買掛金 | 後で代金を支払う義務 |
| 繰越商品 | 売れ残った商品 |
まずはこの5つを覚えるだけでも理解が大きく進みます。
初心者が間違えやすいポイント
仕入を資産にしてしまう
三分法では商品購入時に
「商品」
ではなく
「仕入」
を使います。
試験では頻出のミスです。
売掛金と買掛金を逆にする
覚え方は簡単です。
- 売る → 売掛金
- 買う → 買掛金
です。
仕入高=売上原価だと思う
これは決算整理で修正されます。
仕入れた商品がすべて売れるとは限らないためです。
三分法最大のポイント「決算整理」
三分法では、
仕入れた商品をすべて費用として記録しています。
しかし実際には売れ残りが発生します。
例えば、
- 今年の商品仕入高:100万円
- 売れ残り:20万円
だった場合、
100万円すべてを費用にすると利益が少なく計算されてしまいます。
そこで決算時に、
売れ残った商品を繰越商品として修正します。
しい・くり・くり・しい
簿記3級で有名な語呂合わせです。
(借)仕入 / (貸)繰越商品
(借)繰越商品 / (貸)仕入
この仕訳によって、
仕入勘定が正しい売上原価になります。
分記法とは?
商品売買には分記法という方法もあります。
分記法では、
商品を資産として記録し、
売るたびに利益を計算します。
| 比較項目 | 三分法 | 分記法 |
|---|---|---|
| 仕入時 | 仕入 | 商品 |
| 利益計算 | 決算時 | 販売時 |
| 試験頻度 | 高い | 低い |
簿記3級では三分法が中心です。
まずは三分法を確実に理解することを優先しましょう。
FAQ
商品売買は簿記3級で重要ですか?
非常に重要です。
売掛金・買掛金・返品・決算整理など、多くの論点の基礎になります。
三分法だけ覚えれば大丈夫ですか?
簿記3級では基本的に三分法を覚えれば問題ありません。
売掛金と買掛金はどう覚えればいいですか?
売る側なら売掛金、買う側なら買掛金です。
売上原価とは何ですか?
実際に売れた商品の原価です。
仕入高とは一致しない場合があります。
まとめ
商品売買は簿記3級の中心となる重要論点です。
ポイントを整理すると、
- 商品売買とは商品を仕入れて販売する活動
- 簿記3級では三分法を使う
- 商品購入時は「仕入」を使う
- 商品販売時は「売上」を使う
- 売掛金・買掛金とセットで覚える
- 決算では「しいくりくりしい」で在庫調整する
この考え方を理解できれば、商品売買だけでなく売掛金・買掛金・返品・決算整理までスムーズに学習できるようになります。
次は「売掛金・買掛金とは何か」を学ぶと、商品売買の理解がさらに深まります。

