固定資産とは|取得・売却の仕訳を初心者向けに解説【簿記3級】

簿記3級の学習では、商品売買や現金取引を学んだあとに固定資産が登場します。

固定資産は出題頻度が高く、簿記初心者がつまずきやすい論点のひとつです。

しかし、固定資産の学習は次の流れを理解すれば難しくありません。

  • 取得する
  • 使用する(減価償却)
  • 売却する

この記事では、固定資産の基本から取得・減価償却・売却の仕訳まで、初心者向けにわかりやすく解説します。


固定資産とは?

固定資産とは、会社が営業活動のために長期間使用する資産のことです。

簿記3級で登場する主な固定資産は次のとおりです。

  • 建物
  • 土地
  • 車両運搬具
  • 備品

例えば、会社で使用するパソコンを購入した場合は「備品」として処理します。

商品との違い

初心者が最初につまずくポイントは、商品との違いです。

同じパソコンでも目的によって勘定科目が変わります。

目的勘定科目
転売するために購入仕入
自社で使用するために購入備品

つまり、

売るために持つものは商品

使うために持つものは固定資産

と考えれば判断しやすくなります。


固定資産の学習全体像

固定資産は次の順番で学習します。

①取得

②減価償却

③売却

取得だけを覚えても試験では対応できません。

固定資産は「買ったあとどうなるか」まで理解することが大切です。


固定資産の取得とは?

固定資産を購入したときは、本体価格だけではなく、使用できる状態になるまでにかかった費用も含めて記録します。

この金額を取得原価といいます。

取得原価の計算式

取得原価 = 本体価格 + 付随費用

付随費用の例

  • 運送費
  • 仲介手数料
  • 登記料
  • 据付費
  • 試運転費

パソコン購入の例

取引

パソコン100,000円を購入し、運送費5,000円を支払った。

仕訳

(借)備品 105,000 / (貸)現金 105,000

ポイント

運送費を「運送費」という費用で処理するのではありません。

固定資産を使える状態にするための支出なので、備品の金額に含めます。


建物を取得した場合の仕訳

取引

建物5,000,000円を購入し、小切手を振り出して支払った。

また、登記料20,000円を現金で支払った。

仕訳

(借)建物 5,020,000 / (貸)当座預金 5,000,000

             現金    20,000

ポイント

登記料も取得原価に含めます。

支払手数料として処理しないよう注意しましょう。


固定資産の後払いは「未払金」を使う

固定資産を後払いで購入した場合は、買掛金を使いません。

商品と固定資産の違い

内容使用科目
商品の後払い買掛金
固定資産の後払い未払金

備品100,000円を購入し、代金は後払いとした。

仕訳

(借)備品 100,000 / (貸)未払金 100,000

これは簿記3級で頻出の論点です。

問題文に「商品」なのか「備品」なのかを必ず確認しましょう。


減価償却とは?

建物や備品は使い続けることで価値が減少します。

その価値の減少分を費用として計上する処理を減価償却といいます。

建物1,000,000円

耐用年数10年

定額法

の場合

毎年100,000円ずつ費用になります。

イメージ

取得時

建物 1,000,000

1年後

価値が100,000減少

減価償却費 100,000

ポイント

固定資産は購入した年に全額費用にしません。

使用期間にわたって少しずつ費用化します。


なぜ土地は減価償却しないの?

固定資産の中でも土地だけは特別です。

理由

  • 使用しても減らない
  • 時間の経過で価値がなくならない
  • 耐用年数がない

そのため、土地は取得したときの金額で管理します。

試験では頻出なので必ず覚えておきましょう。


固定資産の売却とは?

固定資産を売却したときは、

売却金額と帳簿価額を比較します。

売却益が出る場合

取引

土地(取得原価1,000円)を1,300円で売却した。

仕訳

(借)現金 1,300 / (貸)土地      1,000

            固定資産売却益   300


売却損が出る場合

取引

土地(取得原価1,000円)を700円で売却した。

仕訳

(借)現金      700 / (貸)土地 1,000

   固定資産売却損 300

覚え方

売却価格が高い

利益

固定資産売却益

売却価格が安い

損失

固定資産売却損


修理代はどう処理する?

固定資産の修理は内容によって処理が変わります。

現状維持の修理

  • 壊れた窓の修理
  • 故障した設備の修理

→ 修繕費


価値を高める改良

  • エレベーター新設
  • 避難階段増設

→ 建物などの固定資産に加算


固定資産でよくあるミス

運送費を費用にしてしまう

取得原価に含める


登記料を費用にしてしまう

取得原価に含める


買掛金を使ってしまう

固定資産は未払金


売却益と売却損を逆にする

売却価格との比較を確認


土地を減価償却してしまう

土地は減価償却しない


FAQ

Q1. 未払金と買掛金の違いは何ですか?

買掛金は商品売買で発生する後払いです。

未払金は固定資産など商品以外の後払いで使用します。

Q2. 運送費は取得原価に含めますか?

含めます。

固定資産を使用できる状態にするための費用は取得原価に加算します。

Q3. 土地はなぜ減価償却しないのですか?

時間が経過しても土地そのものは消耗しないためです。

そのため耐用年数がなく、減価償却の対象になりません。


まとめ

固定資産の問題は、次の流れを理解すると整理しやすくなります。

  • 取得するときは本体価格+付随費用
  • 後払いなら未払金を使う
  • 建物や備品は減価償却する
  • 土地は減価償却しない
  • 売却時は売却益・売却損を計算する

固定資産は簿記3級の重要論点ですが、取得→減価償却→売却の流れで理解すれば難しくありません。

まずは仕訳問題を繰り返し解きながら、各処理の意味を押さえていきましょう。


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