貸付金・借入金とは|利息の仕訳まで初心者向けに解説【簿記3級】

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SNSやニュースで「貸付金」や「借入金」という言葉を聞いて、その仕組みが気になったことはありませんか。

お金を貸し借りしただけなのに、なぜ資産や負債が増えるのか、不思議ですよね。

お金の貸し借りをしただけなのに、どうして資産や負債の勘定科目が増えるの?
利息の計算もややこしくて苦手だな。

最初は混乱しますよね。
でも、貸し借りを「権利と義務」として捉えれば、とてもシンプルです。
利息の計算方法も、コツを掴めば一瞬で解けるようになりますよ!

実は、貸付金と借入金は「お金の貸し借り」ではなく、簿記ではまったく別の意味を持っています。

この違いを理解できると、仕訳の迷いが一気になくなります。

まずはその「考え方の軸」から整理していきましょう。

この記事でわかること
  • 貸付金・借入金の仕組み(資産・負債の違い)
  • 利息の計算と仕訳ルール
  • 試験で狙われるひっかけポイント

結論:貸付金は「権利」、借入金は「義務」

簿記において、お金の貸し借りは単なる現金の増減ではありません。

貸付金は「将来お金を返してもらう権利(資産)」です。

一方で、借入金は「将来お金を返す義務(負債)」のグループに属します。

なぜなら、簿記では「今ある現金」だけでなく、「将来現金が増える原因(権利)」も資産とみなすからです。

逆に「将来現金が減る原因(義務)」は負債として扱います。

たとえば、現金100円を誰かに貸し付けたとします。
このとき、手元の「現金(資産)」は100円減ります。
しかし、代わりに「貸付金(資産)」という権利が100円分増えます。
そのため、貸借対照表(B/S)の資産合計は変わりません。

お金の貸し借りは、現金が「権利や義務の発生」に形を変えた取引であると捉えましょう。

利息とは?簿記では「お金のレンタル料」として考える

お金を貸し借りすると、元本とは別に「利息」が発生します。

簿記ではこの利息を、単なる追加の支払いではなく「お金を使うための対価」として捉えます。

つまり利息とは、「お金のレンタル料」のようなものです。

お金を使わせてもらった期間に応じて発生し、会社の利益に直接影響する重要な要素になります。


受取利息と支払利息の基本ルール

利息は、立場によって名称と意味が変わります。

お金を貸した側は、対価として利息を受け取るため「受取利息(収益)」となります。

一方で、お金を借りた側は、その対価を支払うため「支払利息(費用)」として処理します。

このように、同じ利息でも「受け取るか・支払うか」で勘定科目が変わる点がポイントです。


利息の計算式「元金 × 年利率 × 期間」

利息は感覚ではなく、明確な計算式で求めます。

基本の公式は次の通りです。

利息 = 元金 × 年利率 × 期間

たとえば、元金100,000円を年利3%で半年借りた場合は、
100,000 × 0.03 × 6/12 = 1,500円 となります。

このように「元金・利率・期間」の3要素を掛け合わせることで利息が決まります。


月割・日割計算の違いと試験対策ポイント

利息計算では、「期間の取り方」によって計算方法が変わります。

  • 月単位で計算する場合は「12か月で割る(月割計算)」
  • 日単位で計算する場合は「365日で割る(日割計算)」

を使います。

試験では特に日割計算が頻出で、うっかりミスが起きやすいポイントです。

そのため「月なら12・日なら365」とセットで覚えておくことが重要です。

実務では原則として「365日」で計算しますが、契約書などで明示されている場合はうるう年は366日で計算します。

ただし試験では基本的に365日で統一されるため、その前提で解くのが安全です。

貸付金・借入金の仕訳方法

貸付金と借入金は、仕訳のパターンさえ押さえれば難しくありません。

ポイントは「現金の動き」と「権利・義務の発生」をセットで考えることです。

ここでは、実際の取引例をもとに仕訳の流れを整理していきます。


貸し付けたときの仕訳(貸付金の発生)

お金を貸したときは、相手に対する「返してもらう権利」が発生するため、資産である貸付金を使います。

たとえば、100,000円を現金で貸し付けた場合の仕訳は次の通りです。

借方金額貸方金額
貸付金10,000円現金10,000円

このとき重要なのは、「現金が減る」だけでなく「貸付金という資産に置き換わっている」という点です。


資産の中で形が変わっただけで、全体の金額は変わりません。


借入金を返済+利息を支払う仕訳

お金を借りた場合は、「返済義務(借入金)」「利息(支払利息)」を分けて処理します。

たとえば、借入金120,000円と利息2,400円を現金で支払った場合は次の通りです。

借方金額貸方金額
借入金120,000円現金122,400円
支払利息2,400円

このように、元金(借入金)と利息(支払利息)は性質が異なるため、必ず分けて仕訳する必要があります。


元金と利息を分けて処理する理由

元金である借入金は「貸借対照表(B/S)」に関係する項目ですが、利息は「損益計算書(P/L)」に影響する費用です。

つまり、同じ支払いでも役割が異なります。

  • 借入金 → 負債の減少(B/S)
  • 支払利息 → 費用(P/L)

この違いを正しく区別することで、正確な利益計算ができるようになります。

仕訳の本質は「お金の動き」ではなく、「財務諸表への影響」で判断することがポイントです。

要注意!「誰から・何で」で名前が変わる特殊な仕訳

簿記3級の試験では、同じような取引でも「相手」や「手段」によって勘定科目が変わることがあります。

これは、誰に対する債権・債務なのか、またどのような形で取引が行われたのかを明確に区別するためです。

見た目は似ていても、使う勘定科目が変わるため、ここは頻出のひっかけポイントになります。

代表的な例を3つ確認しておきましょう。

役員からお金を借りた場合

会社の取締役などの役員からお金を借りた場合は、通常の「借入金」ではなく、役員との取引であることを明確にするための専用科目を使います。

そのため、「役員借入金(負債)」として処理します。


約束手形を使ってお金を貸した場合

お金の貸し付けにあたり、証拠として約束手形を受け取るケースがあります。

この場合は、通常の「貸付金」とは別に、手形を伴う取引として処理します。

そのため「手形貸付金(資産)」を使用します。

ここで特に注意すべきポイントがあります。

約束手形を使っていても、これは商品売買ではないため「受取手形」「支払手形」は使いません

試験では、このような「本業の取引か金融取引か」を見極める判断力がそのまま得点差につながります。

一見似た仕訳の中から正しい科目を選べるかどうかが、合否を分けるポイントです。

従業員にお金を貸した場合

従業員に対する一時的な貸付は、通常の「貸付金」ではなく、業務上の前払いや立替の性質が強いため、従業員立替金(または立替金)として処理します。

給与や業務精算と相殺されるケースが多く、通常の金融取引とは区別されます。

試験対策:貸付金・借入金のひっかけポイント

簿記3級の試験では、貸付金や借入金は「計算」よりも「勘定科目の選択ミス」を狙われることが多い分野です。

特に、相手や取引の形によって科目が変わる点は頻出のひっかけポイントになります。

ここでは、試験で間違えやすいパターンを整理しておきましょう。

「役員借入金」など特殊な勘定科目の使い分け

会社の役員からの借入は、通常の借入金とは区別して処理します。

これは取引の相手が明確に限定されているためで、「役員借入金(負債)」として記録します。

誰からお金を借りたのかによって勘定科目が変わる点がポイントです。


手形を使った貸し借りで注意すべき科目

約束手形を使った貸付・借入は、通常の貸付金や借入金とは別の処理になります。

ただし、ここで注意すべきなのは「商品売買と混同しないこと」です。

金融取引であるにもかかわらず、「受取手形」「支払手形」を使うのは誤りです。

試験ではこの区別が頻出のひっかけになります。


「商取引」と「金融取引」の違いを見抜くコツ

貸付金・借入金の問題では、「商品売買なのか」「お金の貸し借りなのか」を見極めることが重要です。

  • 商品売買 → 受取手形・支払手形
  • 金融取引 → 貸付金・借入金・手形貸付金など

この区別ができるかどうかで、正答率が大きく変わります。


よくある間違い:利息を含めた金額処理のミス

利息を含めた仕訳では、元金と利息をまとめて処理してしまうミスがよくあります。

たとえば借入金を返済する場合でも、元金は「借入金」、利息は「支払利息」として必ず分けて記録します。

また、利息を含めた現金の動きだけに注目すると、貸借の関係を誤る原因になります。

常に「資産の増減」と「負債・費用の発生」をセットで考えることが重要です。

FAQ

Q
貸し付ける時に、あらかじめ利息を差し引いて現金を渡す場合は
A

利息を「天引き」した場合でも、「貸付金(資産)」は額面通りの金額で増やします。
たとえば100円を貸して、利息10円を引いた90円の現金を渡した場合の仕訳は以下の通りです。
これは、100円を貸した取引と、10円の利息を受け取った取引を1つにまとめた仕訳になります。

借方勘定科目金額貸方勘定科目金額
貸付金100現金90
受取利息10
Q
決算日をまたぐのに利息をまだ払っていない(もらっていない)時は?
A

決算では、当期に属する分の利息を「未払利息(負債)」や「未収利息(資産)」として計上します。
これは「経過勘定」と呼ばれる処理です。
実際の支払いや受け取りのタイミングに関わらず、当期の正確な損益を報告するために必要な手続きとなります。

Q
従業員に給料を前貸しした場合も「貸付金」?
A

いいえ、原則として「従業員立替金」や「立替金」の勘定科目を使います。
これは一時的な立て替えであり、次の給料支払時に相殺される性質のものです。
そのため、利息を取るような通常の「貸付金」とは明確に区別して管理します。

まとめ:貸付金と借入金は「仕組み」で理解すれば必ず整理できる

貸付金と借入金は、単なるお金の貸し借りではなく「権利と義務の変化」として捉えることが重要です。

さらに利息や手形、相手による勘定科目の違いを理解することで、仕訳の正確性は大きく向上します。

仕訳に迷ったときは、「これは商取引か?金融取引か?」「誰との取引か?」という視点に立ち返ることがポイントです。

要点の振り返り
  • 貸付金は「資産」、借入金「負債」として正しく仕訳する
  • 貸し借りに伴って発生する利息を、受取利息・支払利息として処理する
  • 相手によって「役員借入金」「従業員立替金」「手形貸付金」を正しく使い分ける

ここまで読んでいただきありがとうございます。

簿記は、一度で完璧に理解しようとすると挫折しやすい学習です。

少しずつ知識を積み重ねながら、簿記全体の流れを理解していきましょう。

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