「貸付金と借入金、どっちが資産でどっちが負債だっけ?」
「利息の計算になると毎回数字が合わない……」
「貸付金、借入金、売掛金の違いがよくわからない」
簿記3級を勉強していると、多くの人がこのあたりでつまずきます。
現金や商品売買を学んだ後に登場する貸付金・借入金は、仕訳のルール自体は難しくありません。しかし、「お金を貸す」「お金を借りる」という日常的な感覚があるため、かえって借方・貸方を混乱しやすい論点でもあります。
この記事では、
- 貸付金と借入金の違い
- 基本的な仕訳
- 利息の計算方法
- 試験でよく出るポイント
- 初心者が間違えやすい注意点
を簿記初心者向けにわかりやすく解説します。
貸付金・借入金とは?まずは違いを理解しよう
貸付金と借入金は、名前が似ているため混同しやすい勘定科目です。
まずは違いを整理しましょう。
| 項目 | 貸付金 | 借入金 |
|---|---|---|
| 意味 | お金を貸した | お金を借りた |
| 分類 | 資産 | 負債 |
| 本質 | 回収する権利 | 返済する義務 |
| 増加する場所 | 借方 | 貸方 |
| 減少する場所 | 貸方 | 借方 |
この表を覚えるだけでも、多くの問題が解けるようになります。
貸付金は資産
貸付金とは、取引先や従業員などにお金を貸したときに使う勘定科目です。
お金を貸すと、将来返してもらう権利が発生します。
お金を貸す
↓
返してもらう権利が発生
↓
資産(貸付金)
つまり貸付金は「将来現金になるもの」なので資産に分類されます。
資産が増えるときは借方です。
借入金は負債
借入金とは、銀行や取引先などからお金を借りたときに使う勘定科目です。
お金を借りると、将来返済しなければならない義務が発生します。
お金を借りる
↓
返済義務が発生
↓
負債(借入金)
そのため借入金は負債に分類されます。
負債が増えるときは貸方です。
貸付金・借入金を覚えるコツ
初心者は、
「貸したのに資産?」
と違和感を覚えます。
そんなときは、
貸した現金ではなく、返してもらう権利を見る
ようにしてください。
簿記は現金の動きだけではなく、
「何を得たのか」
を記録しています。
貸付金は権利。
借入金は義務。
この考え方が理解できれば、仕訳を暗記する必要はありません。
貸付金・借入金の基本仕訳
ここからは実際の仕訳を見ていきましょう。
銀行から100,000円借りた場合
【取引】
銀行から現金100,000円を借りた。
【仕訳】
(借)現金 100,000 / (貸)借入金 100,000
【解説】
- 現金(資産)が増加
- 借入金(負債)が増加
だから、
資産増加の借方
負債増加の貸方
になります。
借入金60,000円を返済した場合
【取引】
借入金100,000円のうち60,000円を返済した。
【仕訳】
(借)借入金 60,000 / (貸)現金 60,000
【解説】
借入金は負債です。
負債が減少するときは借方になります。
取引先へ100,000円貸し付けた場合
【取引】
取引先へ現金100,000円を貸し付けた。
【仕訳】
(借)貸付金 100,000 / (貸)現金 100,000
【解説】
貸付金という資産が増加したため借方になります。
貸付金を回収した場合
【取引】
貸付金100,000円を現金で回収した。
【仕訳】
(借)現金 100,000 / (貸)貸付金 100,000
【解説】
貸付金という資産が減少するため貸方になります。
利息とは?
お金の貸し借りには利息が発生します。
利息とは、お金を借りるための使用料のようなものです。
利息に使う勘定科目
お金を貸した側
受取利息(収益)
お金を借りた側
支払利息(費用)
となります。
利息の計算方法
簿記3級では利息計算が頻出です。
基本式は次のとおりです。
\text{利息}=\text{元金}\times\text{年利率}\times\text{期間}
利息計算の例
元金100,000円
年利6%
6か月間借りた
場合
100,000 × 0.06 × 6/12
=3,000円
となります。
簿記3級では月割計算がよく出題されるため、
○か月÷12
を忘れないようにしましょう。
利息を含めた仕訳
【取引】
借入金500,000円を返済し、利息20,000円を支払った。
【仕訳】
(借)借入金 500,000
支払利息 20,000
/
(貸)現金 520,000
なぜ分けるの?
初心者は
「借入金520,000」
としてしまいがちです。
しかし、
- 元金=借入金
- 利息=支払利息
は別物です。
必ず分けて処理しましょう。
試験でよく出るひっかけ問題
簿記3級で特によく出るのが、利息天引きの問題です。
利息を差し引かれて入金された場合
【取引】
500,000円を借りた。
利息20,000円が差し引かれ、
480,000円が振り込まれた。
間違い
(借)現金480,000 / (貸)借入金480,000
正解
(借)現金 480,000
支払利息 20,000
/
(貸)借入金 500,000
借入金は、
実際に返済する元金
で記録します。
これが試験の定番問題です。
貸付金と売掛金の違い
初心者が混同しやすい論点です。
| 勘定科目 | 発生理由 |
| 貸付金 | お金を貸した |
| 売掛金 | 商品を販売した |
どちらも資産ですが、
発生した理由が異なります。
実務ではどう使われる?
実務では借入金は非常に重要な勘定科目です。
銀行融資を受けている会社では、
- 借入残高
- 毎月の返済額
- 支払利息
を細かく管理しています。
税理士事務所でも、
決算書を見る際に借入金残高は必ず確認する項目です。
なぜなら、
借入金の多さは会社の資金繰りや返済能力に直結するからです。
簿記の勉強では単なる仕訳に見えますが、実際の会社経営では非常に重要な数字なのです。
FAQ
Q. 貸付金は資産ですか?
はい。
将来返してもらう権利なので資産です。
Q. 借入金は負債ですか?
はい。
将来返済する義務なので負債です。
Q. 利息計算でよくあるミスは?
月割計算を忘れることです。
6か月なら6/12を掛けます。
Q. 貸付金と売掛金の違いは?
貸付金はお金を貸した債権です。
売掛金は商品を販売したことで発生した債権です。
まとめ
貸付金・借入金のポイントを整理しましょう。
- 貸付金は資産
- 借入金は負債
- 貸付金は回収する権利
- 借入金は返済する義務
- 利息は「元金×利率×期間」で計算する
- 利息は受取利息または支払利息で処理する
- 利息天引きの問題は試験頻出
貸付金・借入金は、考え方さえ理解できれば得点しやすい論点です。
まずは「権利=資産」「義務=負債」という基本をしっかり押さえましょう。
簿記3級では、このような「なぜその仕訳になるのか」を理解すると学習が一気に楽になります。
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