固定資産とは|取得・売却の仕訳を初心者向けに解説【簿記3級】

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「建物や備品を買ったときの仕訳が、商品売買と混ざって混乱してしまう」と悩んでいませんか。

お店で使うパソコンを買ったんだけど、これって『仕入』でいいのかな?
それとも別の名前を使うの?

それは『仕入』ではなく『備品』という固定資産になります!
商品売買とはルールが少し違うので、一緒に整理していきましょう。

固定資産の仕訳は、一見すると商品売買より複雑に見えるかもしれません。

しかし、「売るための商品」と「使うための固定資産」を区別して考えれば、取得や売却の仕訳もスムーズに理解できます。

この記事では、簿記3級で頻出の取得原価や未払金、売却時の仕訳まで順番に解説します。

この記事でわかること
  • 固定資産と商品の違いがわかる
  • 固定資産を取得したときの仕訳がわかる
  • 固定資産を売却したときの仕訳がわかる

結論:固定資産は「使うための財産」と考えれば仕訳が整理できる

固定資産(こていしさん)とは、会社が1年を超えて使用するために保有する財産のことです。

簿記では、すぐに売って現金化する「商品」と、ビジネスの基盤として長く使う「固定資産」を明確に区別して管理します。

具体的には、建物や備品など形のあるものが代表例です。

例えば、同じパソコンであっても、電器店が販売目的で並べている在庫なら「仕入(費用)」ですが、社内で業務に使うなら「備品(資産)」となります。

つまり、「何のために持っているか」という目的によって、簿記上の名前(勘定科目)が決まるのです。

固定資産を取得したときの仕訳

固定資産を購入したとき、帳簿に載せる金額(取得原価)には、購入代価以外にも、加えなければならない費用があります。

取得原価とは

固定資産を購入したときの取得原価の計算には、簿記の超重要ルールがあります。

それは、本体の価格に「付随費用(ふずいひよう)」を加算した金額にする、というルールです。

付随費用とは、運送費や据付費など、その資産を買い入れるためにかかった諸経費のことをいいます。

その資産が実際に「使い始められる状態になるまで」に支払った支出は、すべて手に入れるために必要不可欠なコスト(投資)と考えるためです。

【例題1:備品の取得】
業務用の備品100万円を購入し、据付費10万円とともに現金で支払った。

借方金額貸方金額
備品1,100,000円現金1,100,00

つい据付費を「支払手数料」などの費用にしたくなりますが、それはNGです。

取得原価 = 購入代価 + 付随費用

この公式は、簿記3級における必須知識として確実に押さえておきましょう。

未払金を使うケース

固定資産の売買代金を後払いにした場合、商品売買で使う「買掛金・売掛金」は使えません。

代わりに、「未払金(みばらいきん)」や「未収入金(みしゅうにゅうきん)」という科目を使い、明確に区別します。

会社の主たる事業(本業の商品売買)による約束と、それ以外の臨時の取引を分けて表示することで、決算書(貸借対照表)の透明性を高めるためです。

【例題2:後払いでの取得】
土地300,000円を購入し、代金は翌月末払いとした。なお、付随費用はない。

借方金額貸方金額
土地300,000円未払金300,000円

実務や試験では、この科目の使い分けが非常に厳しくチェックされます。

「本業の取引か、それ以外の取引か」を常に意識するようにしてください。

固定資産を売却したときの仕訳

固定資産を売却したときは、売却した金額と、その資産の現在の価値(帳簿価額)との差額を計算します。

売却損益を計算するためには、その資産の現在の帳簿上の価値を確認する必要があります。

帳簿価額とは

資産は使い続けることで価値が徐々に減っています。

この減少を帳簿に反映させる処理を減価償却といいます。

買った時の値段ではなく、「帳簿上の今の価値」と比較して損益を判断する必要があります。

帳簿価額は、減価償却によって帳簿上の価値を表した金額です。

帳簿価額 = 取得原価 - 減価償却累計額(これまでの減価償却の合計)

固定資産売却益と売却損

売却損益は、帳簿価額と売却価格を比較して計算します。

売却価格が帳簿価額より高ければ固定資産売却益(儲け)低ければ固定資産売却損(損)として処理します。

売却の仕訳を完成させる鍵は、資産そのものを消す(貸方に書く)だけでなく、これまで記録していた「減価償却累計額(げんかしょうきゃくるいけいがく)」も一緒に取り消すことにあります。

ここでは、実務で一般的な「間接法」かつ「期首に売却した場合」の仕訳を見てみましょう。

【例題3:固定資産の売却】
期首において、不要になった建物を1,500円で売却し、代金は月末に受け取ることにした。
なお、この建物の取得原価は3,000円、減価償却累計額は1,000円である。

仕訳を組み立てる手順は、以下の3ステップです。

  • ステップ1: 買った時の値段(取得原価)で建物を減らす(貸方:建物 3,000)
  • ステップ2: セットになっていた累計額を左側に書いて消す(借方:減価償却累計額 1,000)
  • ステップ3: もらえる権利(未収入金)を書き、最後に左右の差額を埋める

建物の現在の価値(帳簿価額)は、2,000円(取得原価-減価償却累計額)です。

これを1,500円で売ったので、500円の損が出たとわかります。

借方金額貸方金額
未収入金1,500円建物3,000円
減価償却累計額1,000円
固定資産埋却損500円

このように、左右の金額がピタリと一致すれば仕訳は完成です。

FAQ

Q
なぜ土地だけは「減価償却」をしないの?
A

建物や備品は使うたびに劣化し、価値が減っていきます。
しかし、土地はどれだけ時間が経っても、どれだけ使っても、物理的にすり減って消える性質のものではありません。
そのため、簿記では減価償却の対象外として扱われ、売却時も常に「買った時の値段(取得原価)」と「売れた値段」の差額だけでシンプルに計算します。

Q
固定資産の「修理」をしたときの仕訳はどうな
A

修理の内容によって科目が変わります。
建物の壁を塗り替えて寿命を延ばすような、価値を高める修理(資本的支出)なら「建物」勘定を増やします。
一方で、割れたガラスを元に戻すような、現状維持のための修理(収益的支出)なら「修繕費(費用)」として処理します。

Q
売却代金を「他人振出の小切手」で受け取った場合は?
A

取引先(他人)が振り出した小切手は、銀行に持っていけばその場ですぐに現金化できます。
そのため、簿記上は「現金」勘定として処理をします。
例題3のケースで、もし小切手を受け取っていたなら、借方の「未収入金」の部分がそのまま「現金」に変わります。

まとめ:固定資産は「取得から売却までの流れ」で理解しよう

固定資産の仕訳ができるようになると、単なる記帳作業ではなく、「会社が将来のためにどのような投資をしているのか」が数字から見えてくるようになります。

固定資産は、取得したときに終わりではありません。

取得原価を計算し、長期間にわたって使用し、最後は売却や廃棄によって帳簿から姿を消します。

こうした「資産の一生」の流れを理解することが、固定資産会計を学ぶうえでの大切なポイントです。

一つひとつのステップを丁寧に確認しながら学習を進めていきましょう。

要点の振り返り
  • 固定資産は商品ではなく、長期間使用するための財産である
  • 取得時の取得原価は「購入代価+付随費用」で計算する
  • 売却時は帳簿価額と売却価格を比較して売却損益を求める

ここまで読んでいただきありがとうございます。

簿記は、一度で完璧に理解しようとすると挫折しやすい学習です。

少しずつ知識を積み重ねながら、簿記全体の流れを理解していきましょう。

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